備前焼の特徴
ルーツとあゆみ
『土』について
製作現場の全貌
製作工程
お手入れと保存法
 



一、 釉薬を使わない焼き締め陶であるため、土がもつ大地のぬくもりと素朴さゆえの存在感を感じることができる。六古窯の中で唯一無釉を通した焼き物である。
二、 室町中期以降は、おもに酸化焔で焼かれたため、赤褐色の土肌である。備前焼の一見地味な風貌は器としての機能をはたしてこそ“渋さ”を味わうことができる。
三、 窯変の美しさは備前焼のアピールポイント。窯で焚き続けること10日〜2週間。炎の動きと松割り木の灰がつくり出す自然模様は千変万化。同じ窯、同じ場所、同じ薪を使っても、同じ作品が出来上がることはまずない。
四、 原料の土は、主に田土(ひよせ)を用いる備前焼の力強さはこの粘土性の高い良質の土にある。鉄分を多く含み、ねっとりとしている。備前焼が焼き締めで通しつづけたのはこの土のおかげでもある。


『備前』の表情を創り出す窯変の美。

窯変は、炎によって土と焚き木とが燃え尽きるときに融合してできた神秘の刻印である。しかしそこには一瞬の偶然にかける陶工たちの祈るような想いの窯詰め作業が忍ばれる。

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表面が高温によって溶け、飛んできた松割り木の灰が付着して釉化した状態。胡麻のようなぶつぶつができることろからその名が付けられた。
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焚き口から遠くに置いたためにふりかかる灰の量が少なく、また溶けきらずに小粒の灰がついたもの。その形状からメロン肌とも呼ばれている。
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焚き口近くに置き、高温と降灰を受け、表面にできた胡麻が雫のように溶け、さらにガラス状になって流れおちる。形状によっては大胆かつ豪快な焼成である。
 
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大量の灰が降りかかり、真っ黒に焦げ付いた状態になったものをいう。まるで苔のように見え、荒々しい表情を醸し出す。
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たくさんの灰に埋もれると直接火にあたらず、そこだけ還元焔焼成(いぶし焼き)になり、ねずみ色、青色などの発色と模様ができる。現在では木炭を使って人工的に作られている。
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窯内で作品が強い炎を受けたとき、また他の作品とくっついて直接炎を受けなかった時に、周辺部より特に鮮やかな赤色になる状態という。
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日用雑器類を重ねて焼く場合、作品同士がくっつくのを防止する目的で稲わらが間に置かれた。このわらがもえる際,わらのアルカリ分と陶土の鉄分とが反応してできた筋状の模様が緋だすきである。緋色(紅色・朱色)はすなわち「火の色」であり、備前焼の美の象徴ともいえる窯変である。
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「緋だすき」と同様、巻き付けたわらが化学反応を起こして筋をつける現象であるが、還元焔焼成により朱色ではなく、黒い筋が現れるものをいう。
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作品の上に他の作品をのせて窯詰めされた場合、作品が乗せられた部分だけ強い炎があたらなかったり、胡麻がかからなかったりする。この部分が周囲と違う発色となってまるで『牡丹餅』を置いたようにみえることからこのように呼ばれる。
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壷や徳利などの袋物の上に他の作品を伏せて載せそのまま焼くと、炎に直接あたらない部分は緋が出たり還元焔焼成で灰黒色などになり、炎のあたった部分のみが赤褐色の胡麻焼きとなる。上下違う焼き上がりの効果を狙った工夫である。